まこネット Maconettes

本堂誠の生活を綴るブログ。

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スラップタンギングの歴史 Qui a commencé le slap ?

この記事を書くのは単純な興味からです。

『どうすればスラップタンギングができるようになるの?』というコーナーではないのでご注意ください(笑)


- スラップタンギングを一つの特殊奏法として初めて利用したのは誰なのか? -

現存している録音ではルディ・ヴィードーフによる1900年代初期の頃のものがあるかと思います。そしてそれより少し後にマルセル・ミュールとシガード・ラッシャーによるイベールの室内小協奏曲の録音がありますが、カデンツァの部分でははっきりとしたスラップではないように聞こえます。

イベールのこの曲は現代でもスラップで演奏する人がいたりいなかったりですが、楽譜ではこうなっています。

【ピアノ譜】特に指定がありません。
slap3.jpg

【パート譜】いわゆるスタッカーティッシモです。
slap4.jpg

【オーケストラ譜(手書き)】どのような経緯を経てこうなったのかは分かりませんが、手稿では+表記です。
slap5.jpg

おそらくヴィードーフ以前にもスラップタンギングを扱える人はいたのでしょうが、それはあくまでも奏者のヴィルトゥオーゾの一つ、テクニックとしての一つでしかなかったのでしょう。
または初心者に有りがちなミスとしての認識の方が強かったのかもしれません。

そう、今回私が気になったのは"奏者で初めてスラップ利用した人"ではなく、"作曲家で初めて特殊奏法として利用した人"が誰なのかということです。
この記事でオネゲルの火刑台上のジャンヌ・ダルクを聴いたと書きましたが、実はこのサックスパートにはっきりとスラップの指定があるのです。
slap1.jpg

slap2.jpg


イベールの室内小協奏曲の完成が1935年、オネゲルのこのオラトリオの初演が1938年です。
そして、その間の年である1937年には"L'aiglon (鷲の子)"、1938年には"Le Petit Cardinal (小さな枢機卿たち)"の2つのオペラをイベールとオネゲルの2人で共作してることからも、情報共有は密であっただろうことが想像できます。


イベールの作品の中ではカデンツァ中の利用のため、まだヴィルトゥオーゾ的と言えるかもしれませんが、音響効果として初めて利用したのはオネゲルなのではないかというのが私の見解です。


2人のやり取りもかなり興味深いですが、どなたかこの辺りの話を題材にした論文を書いてくれませんかね?笑
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第2回アンドラ国際サクソフォンコンクール 2ème Concours International de Saxophone d'Andorre

フランスとスペインの国境、ピレネー山脈の山中にあるアンドラ公国にて開催されたコンクールで第1位と聴衆賞を受賞しました。

concours andorra1

スロヴェニアの際も同じことを書いていますが、心から応援いただいた方々、コンクールを通して出会った仲間に感謝しています。

今後もさらに勉学に励みたいと思います!


本堂誠

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コンサート・キュルシュス Concert Cursus 2015

毎年この時期にこのシリーズのコンサートが行われているんですね。思えば初イルカムもこのコンサートでした。

イルカムの研修生の作品が披露されるこのコンサート、やはり注目度が高くあっという間に満席となってしまったようです。
concert cursus

Daniel Cabanzo
 Hidden lines in Electrical dimensions pour accordéon et électronique

Jonathan Bell
 Archipel pour harpe et électronique et électronique

Caspar de Gelmini
 Leipzig Noir 1914 pour flûte et électronique

Preston Beebe
 intakes pour saxophone baryton et électronique

Dionysios Papanicolaou
    dèle
mo(ts) d'elle pour alto et électronique
    d'aile

Frédéric Le Bel
 25:17 pour violoncelle et électronique

 - pause -

Naoki Sakata / 坂田直樹
 Phytolith I pour saxophone ténor et électronique

Remmy Canedo
 Multiverse pour clarinette basse et électronique

Alessandro Ratoci
 Rima Flow pour tuba et électronique

Emanuele Palumbo
 Corps - sans - Organes pour clarinette basse et électronique

Aurélien Marion-Gallois
 éi12s pour alto et électronique


一緒に聴いていた北爪さんとも話していましたが、このイルカム研究課程に入る以前の出身によって作風が大きく変わってくるようです。
音楽院や音楽学校出身の人の作品はやはり音楽的な流れがしっかりとしているのに対し、他の人の作品はあまりに音響実験的すぎて、私の肌には合いませんでした。

今回CNSMのサックスクラスからも第二課程1年目のラケル(Raquel Panos Castillo)とニコラ(Nicolas Arsenijevic)の二人が参加しており、特にニコラとコラボレーションした坂田直樹さんの作品はこのコンサートの中で最も強い印象を残しました。

印象に残るか残らないか、もしかしたらこれは単純に演奏とエレクトロパートの比率の問題なのかもしれません。
私の場合、奏者をエキサイティングさせる作品というのが演奏していても好きですし、聴いていても好きなのだと思いました。


ところでこの研究課程の指導者の1人としてHéctor Parra(エクトール・パッラ)氏がいることを初めて知りました。
今回は司会進行役としてコンサートを進めていたのですが、この人の作品を知っている身としては一体どんな人がこの曲を書くのだろうかと思っていただけに、話し方や作曲以外の人間性に触れることで彼の作品に対してまた違った印象を持ってしまうのは、人間の感覚の不思議ですね…

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