まこネット Maconettes

本堂誠の生活を綴るブログ。

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"マニフェスト2016" その3 Manifeste2016

今度こそ"その3"となった"マニフェスト2016"のコンサートはこちら。

manifeste2016 3-1

Programme / プログラム
- NOCTURNES - / - ノクターン -

Maurice RAVEL / モーリス・ラヴェル
 Gaspard de la nuit / 夜のガスパール

Marco MOMI / マルコ・モーミ
 Unrisen (新作委嘱作品)

Salvatore SCIARRINO / サルヴァトーレ・シャリーノ
 De la nuit

Maurice RAVEL / モーリス・ラヴェル
 Quatuor à cordes en fa majeur / 弦楽四重奏曲


Mariangela VACATELLO / マリアンジェラ・ヴァカテッロ ( Piano / ピアノ )
Quatuor Zaïde / クワチュール・ザイード ( Quatuor à cordes / 弦楽四重奏 )
Serge LEMOUTON, Adrien MAMOU-MANI (IRCAMエンジニア)

ブッフ・デュ・ノール劇場 (Théâtre des Bouffes du Nord) という19世紀に建てられた歴史的な劇場でのコンサートでした。
manifeste2016 3-2

コンセプトのはっきりしたコンサートで、サブタイトルの"ノクターン(Nocturnes)"の通り、今回プログラムされた曲は"夜"にまつわるもの。そして"ラヴェル"に関係するもの。
ラヴェルの"夜のガスパール"やシャリーノ氏の"De la nuit"は曲名そのままですが、モーミ氏の新作"Unrisen"は"un-risen"で、つまり(日が)昇らない、という意味からでしょうか。

シャリーノ氏の"De la nuit"は1971年のピアノソロ作品。4分ほどの小品でとても技巧的な曲なのですが、夜のガスパールから全く同じパッセージが引用されたり、ショパンやリストやドビュッシーなどからの引用もあるパロディ的作品で、とても楽しみながら聴いていました。
モーミ氏の新作は弦楽四重奏+ピアノによる五重奏にエレクトロを含む作品。約30分もある大作でしたが、そこは奏者たちの集中力と気迫で聴衆を引きつけながら最後まで素晴らしい演奏でした。

クラシックとコンテンポラリーのバランスの取れたコンサートでした!
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コンサートな日々 Les concerts 

"マニフェストその3”

となるはずだったブログのタイトルですが、せっかく予約した現代オペラに行くことは叶わず、今回は自分が演奏する側となってしまいました。
4夜連続で、5コンサート(!)。というのもパリ音楽院の友人たちが組んでいるカルテット、Quatuor Yendo(クワチュール・イェンド)のバリトン奏者であるマルタン(Martin Trillaud)くんが盲腸で入院し復調まで時間がかかると診断されたため、その代打役として急遽お話をいただいた訳です。昨年のストラスブールでのワールドサクソフォンコングレスの国際カルテットコンクールで2位を取った実力あるカルテットです。1度の合わせで2回の本番。ヒヤヒヤしつつも上手い人たちと演奏できる喜びを感じつつ楽しい本番を過ごしました。

まずはサン・シール陸軍士官学校卒業セレモニーの一興としての演奏。


オペラ近くの高級ホテルの大きな会場。
les concerts 1

軍楽隊に迎えられて入場。
les concerts 2

巨大なシャンデリア。
les concerts 3

贅沢な立食パーティー。
les concerts 4 les concerts 5

式の後は優雅なダンスパーティー。
les concerts 6

これはなかなか縁遠いイベントに参加してしまいました。特にほとんどの人が社交ダンスを心得ていたことには驚きで、もしかしてそれも軍人として学ぶこと一つなのかと疑問を抱いた程です。ジェントルマンとしての立ち居振る舞いはこうして得るのだろうか…

次の日は野外の特設ステージでYendoのコンサート。閑静な場所で、鳥のさえずりと共に気持ち良い演奏をしました。
les concerts 7


さらに翌日は現在パリ音楽院で組んでいる本来のカルテット、Quatuor Niobé(クワチュール・ニオベ)で小学校でのアウトリーチ(日本語だと課外授業でしょうか?)。
楽器の歴史や楽器自体の仕組みの話や、様々なジャンルの音楽を演奏したりして、子供たちに興味を持たせたり、見聞を広めさせる活動の一つで重要なことです。(トークは全てフランス人任せでした 笑)
日本にいた頃もいくつか参加したと思いますが、その頃はその重要性にまだ気付いていませんでした。もし小さい頃に素晴らしいものに触れるチャンスがあるのなら、それは間違いなく心の豊かにする手助けになるだろうと思います。


最終日はフェット・ドゥ・ラ・ミュージック(音楽の日)ということで、一晩中そこかしこでプロアマ問わず音楽が鳴り止むことのない日。
毎年私もどこかしらで演奏していたと思いますが、今年はまず同じくNiobéでの演奏、そしてさらにもう1グループ、SaxBack(サックスバック)というアドルフ・サックスが発明した楽器のみで編成されたセクステット(Sextet、6人組)にも代打で参加することになりました。アルト、テナー、バリトンサックスに加えてバスクラリネットを発明したことからクラリネット2本、そして金管楽器のサクソルンを発明したことから同族楽器のユーフォニアム1本で計6本によるメンバーです。
更に演奏する曲もクルト・ヴァイルという20世紀前半を生きた作曲家による”三文オペラ(l’Opéra quat’-sous)”、サックスを利用した貴重なオペラを編曲して演奏するというこだわりのある選曲。

終演後の会場。
les concerts 8

達成感と充実感を感じる帰路でした。

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"マニフェスト2016" その2 Manifeste2016

週に一度の”マニフェスト・コンサート”。本当は毎日のようにもっとたくさんコンサートが企画されていて、しかもすごく興味深いプログラムが組まれているのですが、残念ながら毎週水曜日と木曜日の2日をサンテティエンヌで過ごさなければならないために面白そうなコンサートを聞く機会を逃しています…

こうして合間で行くことのできた2つ目のコンサートがこちら。

manifeste2016 2-1
(ドゥラングル先生がプログラムを欲しがっていたので、オリジナルのプログラム冊子はプレゼント。その前にコピーして確保しました 笑)


Programme / プログラム

Gérard PESSON / ジェラール・ペソン
 Cantate égale pays

Ensemble vocal EXAUDI (声楽アンサンブル)
L’instant Donné (器楽アンサンブル)
James WEEKS (指揮)
Sébastian ROUX (IRCAMエンジニア)

大きく分けて3部からなる作品なのですが、その中で30秒の作品だったり1分程度の作品だったり小品がぎっしり詰め込まれていて、そうして合計1時間10分になるという1つの作品。
ジェラール・ペソン氏は現在3人いるパリ音楽院作曲科の教授の1人で、彼の音楽を聴いたらすぐに分かるのですが、すごく軽妙な音楽が正にフランスらしさを感じさせます。自分の勝手なイメージですが、もう1人の教授、ステファノ・ジェルヴァゾーニ氏はイタリア系(名前からのイメージ)、それから3人目のフレデリック・デュリユー氏はドイツ系(作曲した作品名がドイツ語だったり、ハインツ・ホリガーと親しかったり、そんなイメージからです)、3人みんな違って、みんな良い!

…ということで、ジェラール・ペソン氏の作品に戻りますが、カンタータ(Cantate)の名前の通り、歌が入っています。小品ごとに歌が入ったり入らなかったりしますが、だいたい3人から8人程が常にスタンバイしています。
器楽アンサンブルで使われている楽器はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、フルート、オーボエがそれぞれ1本ずつ。そこにシンセサイザーが1人と膨大な種類の打楽器(しかし1人で全てこなす)が加わって、色彩豊かな音楽が展開していくのですが、驚いたのは指揮なしでもアンサンブルが成立すること。声楽チームと器楽チームが別々のため、その架け橋として指揮者がいたのですが、器楽チームのみの小品では指揮者は手を挙げることさえなく、複雑な拍子の音楽を見事にこなしていました。L’instant Donné (ランスタン・ドネ)、注目のアンサンブルです。
もちろん、声楽チームも素晴らしいです。毎年のマニフェストに限らず、アンサンブルアンテルコンタンポランとのコラボレーションも多く、その音程の正確さや、声だけではない表現力も本当に素晴らしいです。

現在パリ音楽院の博士課程に在籍しているクレモン・アンベール氏は”作曲家と演奏家の関係”についての論文を書き進めていて、ジェラール・ペソン氏と共同で活動しています。今は彼のためにコンチェルトを書き始めているそうで、おそらく後1年以内にはその初演がパリのどこかでされるはずです。これがサックスにとって重要なレパートリーになるように期待しています!

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"マニフェスト2016" その1 Manifeste2016

毎年恒例、6月はIRCAM主催による現代音楽祭り”マニフェスト(Manifeste)”の月です。
交換留学以来、学校内のコンサートや友人のコンサートを聞きに行くことはたくさんあったのですが、今回は久々に学校外で企画されたコンサートへと足を運んだ気がします。

manifeste2016 1-1


Programme / プログラム

Yann MARESZ / ヤン・マレシュ
 Répliques (新作、ラジオフランスによる委嘱作品)
   harpe solo / ハープソロ
   Nicolas TUILLIEZ

Magnus LINDBERG / マグヌス・リンドベルイ
 Corrente II

Witolt LUTOSLAWSKI / ヴィトルト・ルトスワフスキ
 Symphonie nº4

Orchestre Harmonie de Radio France / ラジオ放送フィルハーモニー管弦楽団
   direction / 指揮
   Juilen LEROY



まずはハープとアンサンブルとエレクトロによる新作の初演。
トランペットソロとエレクトロのための作品、”Metallics”で大ファンになったマレシュ氏は現在パリ音楽院で作曲科クラスのオーケストレーションの授業で教鞭をとっているはずです。
ハープらしい特徴が活かされた曲で、"弦を弾く”+”スペクトラル”の2本柱のアイデアがエレクトロパートとオーケストラに振り分けられて曲が構成されたような作品でした。
“弦を弾(はじ)く”ことについてはヴァイオリンなどの弦楽器でイミテーション(真似)できるわけですが、今思えばハープの奏法は弾(はじ)くことしかないわけで、弓で弾(ひ)くことができるヴァイオリンと比べたら発音に関してはかなり制限された楽器であると感じました。

続いての作品はリンドベルイ氏の1992年のオーケストラ作品。
昨年のサクソフォンコングレスで演奏した同氏による”Linea d’Ombra”は1981年の作品ですが、10年の差はあっても彼独特の語法が曲の至る所に出ていて、それを発見する度に彼らしさを再確認。”ネオ・シベリウス”の名にふさわしいシンフォニックな響きが大半を占めていましたが、使われている和音はリンドベルイ流のなせる響き、そしてLinea d'Ombraでも多用された別楽器同士であっても同じ音から音色を橋渡しさせる巧みな技が各所で聞こえてきて、ずっと一つの楽器の音を聴いていたと思ったらいつの間にか別の楽器になっていたりするのはとても面白い効果でした。

そして同じく1992年に作曲されたルトスワフスキのオーケストラ作品。
現代小編成アンサンブルの曲はたくさんありますが、現代シンフォニーというジャンンルの枠に当てはめたら正にこの曲なんだろうな、と思うような作品でした。
サックスの作品だとオルブライトのソナタやベリオのセクエンツァIXに、ある小節を一定時間繰り返すというものがありますが、作曲科の友人の話によるとどうやらルトスワフスキがそれを初めて試みたようです。独立した声部でイレギュラーに動くというインパクトがすごく効果的で面白い!ただし相当な実力のあるオーケストラでなければ演奏できない難易度で、その結果演奏される機会もそんなにないようです。これを生で聴くことが出来たのはかなり貴重な経験だったのかもしれません。

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